宮崎市の宮崎キネマ館で
2月15日までよみがえりのレシピの映画が上映されている
 
1970年代に入り日本は大量生産、大量消費の時代
その時代にトレンドに合わず
消滅していった日本各地の在来野菜は少なくない
形が悪い
苦みがある
そんな在来野菜の特徴は
高成長の時代トレンドの中では置き去りにされ
いつのまにか消費者は誰も目を向けてくれなくなり
必然的に消滅していった数多くの在来作物の悲しい歴史がある
 
この映画は
庄内地方で消滅しかかっていた在来野菜を
どう守り、育み、新しい味として確立させ
子供たちの食育にも生かしてているのかを
淡々と描いているドキュメンタリーだ
 
在来作物はその風土の中で育まれてきた作物だ
これからの時代は
その作物の種の中にこそ地域が生き延びるヒントがあるのだと思う
なぜならその風土でしか生まれない作物が在来作物なのだから
 
山形大の江頭准教授、アルケッチャーノの奥田シェフ
そして種を守ってきた生産者の老人たち
生産者と先生と感性を持った料理人
この3身一体の思いを込めたパワーがあったからこそ
壮大な実験は成功したのだろう
口では簡単な循環農業というキーワードという言葉の陰には
一人一人の情熱と努力とチームワークなしには生まれてこない
 
昨年奥田さんを訪ね、
案内されて藤沢カブの後藤勝利さんに会いに行ったことがある
元気なおじいちゃんは焼き畑の苦労や藤沢カブの成長を楽しげに話をし
奥田シェフには尊敬のまなざしを注いでいた
在来野菜の特徴を引き出し
思ってもみなかった料理の新しい味に仕上げる感性
それがお客だけではなく、生産者の感動を呼び起こす
奥田さんの存在は生産者と消費者をつなぐ命の存在でもある
 
土と水と太陽のなかで
老人がタネを宝のように守り続け
若者が継承し
こども達が食育として作物を育て、種を作りまた育てていく
これが本当の農業の在り方でもあり食育の在り方だ
おいしくて心に効くドキュメンタリー映画だ
ぜひ機会があれば皆さんにも見てほしい映画である
チラシ2/1.jpg 
さてこの奥田シェフを招いて
大吟醸を楽しむ会スペシャル
アルケッチァーノ イン ミヤザキを3月3日開催する
宮崎の春の食材を奥田さんがどのように調理していくのか
日本一2連覇の宮崎牛を奥田流でどう調理するかも楽しみである
それだけではない
今回はそれぞれのメニューに
出羽桜と獺祭の8種類の日本酒を合わせていくと言う初めての試み
2蔵元はどちらも仲野社長、桜井社長が出席され
まさしく食と酒のプレミアムマリアージュの会となる