新潟県村上の1819年創業の〆張鶴の宮尾酒造を訪ねた
宮尾酒造は今年で200年の節目の年となる
蔵は川べりにあり、昔ながらの町家がそのままの形で現存している
宮尾会長自ら蔵を見せていただいた
今は大吟醸の仕込みの真っ最中
仕込み作業は朝やるのでほぼ終わっていた
麹室を見せていただいたが
思った以上に広い
しかもこの麹室が3室あるそうだ
杉ではなく最近はステンもあるのだが
会長は私のところでは昔ながらの杉を使用しているとのことだった
ここは敷地が狭いので精米所や瓶詰め、貯蔵庫は別の場所にあるそうだ
これが純の仕込んでいるタンク
20日ほどたっているという、香りが素晴らしい!!
〆張鶴純といえば私が学生時代日本酒に開眼したのが純だ
飲んだ印象は
こんなに清らかで透明感があり
しかも旨い酒があるのかと驚愕して、ファンになった思い出がある
宮尾会長にお話を聞くと
純は発売してすでに50年近くなる
先代の時に発売して、当時はまだお米が不足していたので
純米酒のインパクトが大きかったのだろうと言われた
しかしこれだけの長さにわたり全国の酒ファンを魅了するお酒はなかなかない
純米吟醸部門では22年連続NO1の快挙も達成されている
しかも純のラベルは今見ても新鮮でさえある
応接室の壁には収穫時期の稲穂と朝日連峰の油絵が
先代が書かれたものだという
ラベルの新鮮さは先代の絵心から生まれたものかもしれない
宮尾会長も8年ほど前に息子さんの佳明氏に社長を託された
米は岩船産の五百万石と山田錦が主
大吟醸金ラベルは山田錦を35%に磨き
大吟醸吟ラベルは山田錦を38&%に磨いている
〆張鶴純は五百万石を50%に磨いた大吟醸クラスの純米吟醸だ
全てにおいて品質の高さは一目瞭然だ
宮尾会長は日本酒の現状を
日本酒にとって難しい時代に入った
一番の消費者であった地元の飲み手は老齢化し
若者の酒消費はあまり伸びていない
日本の蔵元は1100程まで減ってきていると話されていた
その中で宮尾酒造が目指す酒造りは真面目で誠実な酒
地元ばかりの15名の社員で昔と変わらない酒造りを目指されている
2代目が書いたとされる家宝の酒造りの秘伝書をさらに進化させた酒造り
真面目で誠実、謙虚、そして村上の風土で醸す綺麗な味わい深い酒
〆張鶴は宮尾会長人柄、そのものの淡麗旨口の酒だと実感した!