京都、伏見にある増田徳兵衛商店は
1675年創業の酒処伏見の中で一番古い蔵でもある
銘柄は月の桂
伏見は日本有数の酒処としても知られており
その理由の一つは
後味が柔らかくまろやかな風味を醸し出す伏見の水だ
時の桂は、にごり酒発祥の蔵としても知られ
古くから文化人に人気がある蔵としても有名だ
谷崎潤一郎氏や瀬戸内寂聴など
名前を挙げればきりがないほど・・・・・
宮崎の酒好きなメンバーと蔵にお邪魔した
会長の増田徳兵衛氏は
大吟醸を楽しむ会の参加の常連メンバーでもあり
私とも20年を超える交流がある
2年前に社長を息子に譲り会長になられた
蔵に入ると
風格のある空間が広がっている
竈は現在も使用されているという
素敵な雰囲気が歴史の深さを感じさせてくれる
さてまずは蔵を案内してもらう
面白いものを見せていただいた
メッシュで作った3ミリのこし機
これでもろみをざるで濾してにごり酒が生まれた
その時は国税庁の皆さんが蔵に来て酒造りを見守ったのだそうだ
そして1964年にスパークリングのにごり酒が誕生したのだ
発酵途中のお酒を瓶詰めしているため
瓶の中でも発酵が進み
開栓時にはフレッシュな泡立ちの米のシャンパンとも言われる酒
但しこの酒は世界一クレームが多い酒としても有名で
日本全国や祇園などにも謝りに出かけたことは数知れずですと
笑いながらおっしゃっていた
蔵の2Fにはこの蔵のお宝ともいえる
熟成酒が保管されている
1965年に日本酒を磁器特製の亀壺に囲い貯蔵を開始した
原料のこだわりと造りの自信が古酒への挑戦を後押ししたのだろう
このようなこともあり増田徳兵衛会長は
日本刻酒協会の会長もされている
これから日本酒の熟成酒の可能性を世界に広げていかれるのだろう
お待ちかねの試飲が始まる
飲みはじめて皆さんの顔が笑顔に変わってくる
仕込み水もとてもやわらかだ
最近酒米が全国で開発されているが
京都でも固有種である祝を栽培している
現会長が地元の農家と共同で復活させたコメでもある
水と米と歴史
月の桂の三位一体の味は京都においても独自の彩りを醸している
最後に世話人の吉田夫妻と増田徳兵衛会長